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昔ながらの和装小物に、新しい風を──未来の着物文化へ

着物を美しく、快適に着こなすために欠かせない「和装小物(着付け小物)」。ベルトや紐、補整具や帯枕、前板……数多くの小物たちは、一見地味ながら着心地や着姿の美しさを大きく左右する重要な存在です。

しかし、現代の和装小物にはある大きな問題があります。それは、多くが昭和時代からほとんど進化しておらず、今の感性やライフスタイルに合っていないということです。

「昔ながら」から「今らしさ」へ──和装小物に求められるデザインの進化

現在流通している和装小物の中には、「昔から変わらない」アイテムが少なくありません。たとえば、小物の色はなぜかピンク系が主流。ベルトや紐、帯枕、前板など、多くが同じような色味・デザインで揃っており、パッケージも手書き風の文字や昭和テイストのイラストが使われているなど、全体的に「レトロな印象」が色濃く残っています。

こうしたデザインは、和装に親しみのある方には「懐かしさ」として映るかもしれませんが、一方で、若い世代や着物初心者にとっては「古い」「今っぽくない」と感じられてしまう可能性もあります。特に和装小物は、着物を始めるときに最初に手にするアイテム。見た目の印象は、商品そのものの価値、ひいては着物文化全体のイメージにも影響を与えます。長年親しまれてきた定番デザインを大切にしながらも、時代に合ったアップデートが今、求められているのではないでしょうか。

※画像はイメージです

製造現場の苦境と、進まない開発

こうしたデザインや仕様が長年変わらない背景として、製造現場の苦境があります。和装小物をつくるメーカーや工場は、着物の需要減少に伴って縮小傾向にあるだけでなく、後継者不足や近年の人件費の高騰、材料費の上昇など様々な理由が重なり廃業するケースが年々増えています。新商品の開発やブランディングに投資できる余力がないまま、同じ型・同じ素材・同じデザインで作り続けることを維持するだけでも精一杯な現実があるのです。

 

着物文化の縮小と悪循環

先にも触れましたが、そもそも着物を着る人が減っていることが和装小物の開発停滞を加速させています。「売れないから新しいものを作れない」「新しいものがないから魅力が伝わらない」──そんな負のスパイラルに陥っているのが、今の和装業界の一面です。このままでは、今ある小物が手に入らなくなるだけでなく、着物そのものを楽しむ人もますます減っていってしまうでしょう。業界関係者は日々この危機感と向き合っています。

 

今こそ「選びたくなる小物」への刷新を

だからこそ、今必要なのは着る人・着たい人の声を最大限反映させた「機能性」「デザイン性」「今らしさ」を兼ね備えた和装小物です。たとえば、カラーバリエーションやデザインが豊富なベルト類、体温調整に優れ、お手入れも簡単な機能性肌着、そしてすべての小物が幅広いサイズ展開であることなど、現代のニーズに合った仕様があれば、「これなら使ってみたい」「自分にも合いそう」と感じられる人は確実に増えるはずです。

着物を着てしまえば外から見えることがないアイテムではありますが、着付けを始める際に誰もが目にし、触れ、使用することになる和装小物が変われば、着物全体の印象も変わるはずです。そして、着物の楽しさ・心地よさ・美しさを支える小物が“今っぽく”なることで、若い世代にも自然と着物が受け入れられる土壌が育っていくはずです。

昭和の面影を残す古い小物から、令和の感性を反映した小物へ──和装の未来は、そんな「小さな変化」から動き出すのかもしれません。

日本和装オンラインで取り扱う商品は、「今の時代に本当に必要とされる和装小物とは何か」を意識して選定しています。世の中に数多く流通している商品の中から厳選するだけでなく、必要であれば企画・開発を行い、メーカーや関連業者の皆様と力を合わせて実現しています。着物を愛する皆様を支える存在でありたい——それが私たちの願いです。

 

執筆:日本和装オンライン運営

 

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